「私は、自分の容姿にいくつかの不満があるので、整形したいと思っています。」
親しい人から、そんな風に言われたら、
あなたならどうしますか?
賛成しますか?反対しますか?
整形することで、本人が元気になるならいいんじゃない?
程度問題でしょう?
どんな姿形であれ、親からもらったものに傷をつけるなんて!
たぶん、この話に結論はありません。
では、質問を変えてみます。
「私は白髪が増えてきたので染めようと思います。」
「私は目が小さいので、大きく見えるメイクをします。」
「私の胸は小さいので、ワイヤーブラで大きく見えるようにします。」
そう言われたら、あなたは反対しますか?
反対も何も……
みんな普通にやってることですよね。
自分のありのままの容姿、
そこに不満があるから、染めたりメイクしたり、矯正下着を着けたりするわけです。
でも、そこまでなら、時間が経てば戻るものだし、
親にもらった身体に傷、というわけじゃないでしょう、
という反論もあるかなぁ〜?
では、これならどうでしょう?
「むだ毛を毎日剃るのも抜くのも面倒だから、永久脱毛します。」
永久脱毛というからには、時間が経っても戻らないはずです。
なんだか、自分で書いていてわけがわからなくなってきちゃいました。
要するに、みんな自分の容姿が気に入らないんです。
だから、
農薬の30倍の毒性のある薬品で髪を染め、
身体にいいとは言えないメイク用品を顔に塗り、
血行の悪くなる下着を着け、
身体に必要だから生えているはずの毛を抜き、(あ!これは畑の雑草を抜くのと似てるかも!)
さらに、骨を削ったり、脂肪を入れたり抜いたり、
切ったり貼ったりして、身体中の通路(血や水や気の流れる通路)を、壊しちゃったりするんですね。
っていうか、どんなに美しく完璧に見える人でも、必ず、
「え〜、でも私は自分のここが嫌いなんです、直したいです」
って言いますよね〜?(ごくまれに、謙遜で言う場合もありますが。)
そうやって、自分のありのままの姿にけちをつけて、
別な誰かになろう、
なれなくても、別な誰かに見えるように工夫しよう、
そんな努力を、私たちはしているような気がします。
だって、テレビや雑誌で、
「つやつやの黒髪」って言うし、白髪とかハゲとかはかっこ悪いじゃん。
大好きなあの人が、
「大きくてつぶらな瞳が素敵」って言ったから、小さい目の私は好きになってもらえない…。
どこの下着やさんに行っても、
「谷間が作れる」とか「パッド入りで自然に膨らみアップ」とかのブラを売ってるし、
「上下セット」じゃないと、男の子は萌えないんでしょ?
毛深いタレントさんって、お笑いの人にしかいないし、
それをネタにして笑われるのいやだもん。
何が美しくて、何が美しくないのか、
その価値感、判断基準を育むネタは、そこここに転がっています。
毎日少しずつ洗脳されて、
私たちは、自分を否定せざるを得なくなってしまっているんですね。
「ありのままの自分を認めてあげよう」
なんだか、どこかのセミナーやカウンセラーからよく聞く言葉ですね。
ありのままの自分を認めるためには、
自分が「常識」と思っていることを疑うということが必要なのかもしれませんね。
最後になりましたが、クリキンディの悩みを聞いて下さい。
白髪でくせ毛で剛毛のクリキンディ、
染めるのもドライヤーもシャンプーも全部やめちゃったので、
見た目、ほんとにヤバい感じになってます。
とても親しい友人から、
「クリキンディちゃん、染めるのもドライヤーもイヤなら、ヅラにしたら?」
って大まじめに勧められています。
わかる、わかるのよ、その気持ち。
一般社会のしくみの中で生きていく以上、
ありのままでいられないことはわかっているのよ…
あああ〜、めんどくさっっっ!