高い空


2014-07-14 19.19.39
今日も空が高い。
うふふ、「空が高い」だなんて、家の天井じゃあるまいし、空に高さなんかないのに、なんでそんな風に感じるのかな。
昔、わたしが空を飛べた頃、空が高いって感じた日は、いつもより高く高く飛んでたんだと思う。
高く上がれば、その分だけ見える風景もどんどん広がって、いろんなものが見えるのよ。

こっちの森の中では、ドングリを見つけると溜め込みたくてしょうがないかわいいリスたち。
そっちの小川では、光る水面を見ると卵を産みたくてしょうがないトンボたち。
四角く区切った田んぼでは自分だけじゃ食べ切れないほどたくさん実ったお米を、機械を使って刈り取る人間たち。
小さな囲いから出られない牛たちは、すぐそこに新鮮なおいしい草があるのに、刈り取った古いものしか食べさせてもらえないのね。
大きくて高くてちっともキレイじゃない建物の中は、空からはなにをしているのか見えないわ。たくさんの人が出たり入ったり…まるで蟻塚みたいね。
この島にはたくさんの道やレールもあるわ。すみずみまで繋がって、どんなものでも急いで運ぶことができるの。血管みたいだわ。
島の外側にはキラキラ光る海があって、空の上からはよく見えないけど、たくさんの命が生きている。

あちらの国では誰かを殺すための訓練をしてるわ。
罪を犯した人でさえ、命を奪わない国もあるのに、
生まれた場所が違うだけで、どうして罪もない人を殺そうと思えるのか不思議。

そうね、自分と違う場所で生まれた人は、自分を脅かす人だから。
こわくてたまらない。
自分に不都合なものは、みんな殺していいのよ。
ゴキブリ、あなただって殺すでしょ?
彼らは汚れた場所にしか出てこないわ。
あなたのかわりに掃除してくれているだけなのに。

あーあ、こんなに空が高くて気持ちいいのにね。
私、飛べなくなっちゃったの。
だからね、
今はいろんなものがよく見えない。
手の届く場所にあるものが、誰かに奪われるんじゃないか心配で心配で、
夜も眠れないから、夢も見られないわ。

ずっと起きていると、妄想族になれるわよ!
あはは、怖くてたまらない。
誰か…
助けて。


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