メディア関係者の罪とジレンマが痛いほど伝わったNHKの番組


ある番組を見ながら「おいおい、それは誤解じゃなくて真実だろうよ!」って突っ込んでしまったんですが…
でも最後まで見たら、メディア関係者のジレンマが画面を通して伝わってきて、なんだか泣きそうになっちゃったので、普段テレビを見ないみなさんにもシェア。

最近はテレビを見ない人が増えています。
だいたいネットでこと足りますしね。
しかもちょっと意味のわからない受信料の取立てをするNHKは大嫌いだという人もいるでしょう。

うちでは母が受信料を払ってくれているので普通に見ています。
まぁHDDに録画してから見てるんですけどね。

大人になってからは歴史が面白いことに気づいたので、結構NHKの番組を見ていますが、やっぱり民放とは取材力が違う気がします。

■消えた原爆ニュース

今回ご紹介したいのは、佐藤二朗さんが所長役の
歴史探偵という番組です。
なんとなくしか知らない歴史について、いろいろ深掘りしてくれてとても面白い!

2023年8月9日のテーマは「消えた原爆ニュース」でした。
受信料を払っている方はNHKプラスで見られるようなのでぜひご覧ください。

見られない方のために、ざっと番組の内容をお伝えしますと…

1945年8月に広島に世界初の原子爆弾が投下され、ものすごい凄惨な被害をもたらしたこと、
日本人である私たちはある程度知っています。

しかし、戦後約6年間、詳しい被害状況は隠され続けていたんです。
海外どころか日本人にすら知らされませんでした。

大きなきっかけとなったのは同年9月15日の朝日新聞の記事。
後に総理大臣となる鳩山一郎氏の論説です。

「原子爆弾の使用や無辜の国民殺傷が病院船攻撃や毒ガス使用以上の国際法違反、戦争犯罪であることを否むことは出来ぬであろう」
と、原爆投下は戦争犯罪であると厳しく批判したものでした。

記事が掲載された4日後、GHQ民間検閲局のドナルド・フーバーは朝日新聞の責任者を呼び出し、
「大衆に誤解を与えるな。新聞の発行は停止する」
と、朝日新聞に2日間の発行停止処分を命じます。

さらにあらゆるメディアに対し「プレスコード」をはじめとして、
「連合国についての虚偽、または破壊的批評を掲載してはならない」などの規則を通達。
そして徹底した事前検閲を行うことで自由な報道が禁じられました。

このあたりです、私がテレビに向かって突っ込みを叫んだのは(笑)。

■しゃがんで伏せれば大丈夫

当時、核兵器の開発に力を入れていたアメリカとしては、国際的な非難が盛り上がってしまうと困るわけです。

反対世論を抑えるために、自国民のために作った映画も番組内では紹介されていました。

それは、実に平和的な映像で、
「万が一原爆が落とされた場合は、すぐさまその場にしゃがんだり伏せたりして頭を隠してね。布があればかぶるといいよ。」
というまったく危機感のないもの。

つまり「核兵器はそんなに恐ろしいものじゃないよ」という
アメリカ国民向けのプロパガンダです。

番組内では一切触れられませんでしたが、これを見ていた日本人全員が、あれを思い出したはずです。

そう、Jアラート。
ミサイルが飛んでくるからしゃがんで伏せて頭を守ってね、というやつです。

■報道規制はなくなったのに報道はされなかった

戦後に新たに作られた憲法21条には「言論の自由」について妨げてはならないとなっているのに、これは矛盾だとなり
徐々に検閲は縮小され、1948年にはGHQによる事前検閲は廃止されました。

しかし発行停止などを怖れたメディアは、このあたりから自主規制を始めます。

「忖度」ですよ。

これを打ち破ったのは京都大学の学生たち。
病理学の教授から、放射線被曝についての講義を受けた学生たちは、これまで報道されていなかった広島の真実を世の中に伝えたいと奮闘、被爆者の写真や被曝についての情報を展示した「原爆展」を開催します。

これが大盛況となり3万人もの人が訪れたと言われていますが、同時に学生たちは警察により逮捕されてしまいます。

これが1951年。戦後6年も経っていました。

学生たちの
「知ってしまったからには未来に知らせるのがわれわれの責任ではないか」という思いから始まった原爆展ですが、この後徐々に広がりを見せ、今の私たちも知るところとなっていきます。

■3.11もコロナもマイナンバーもUFOも

今回の番組のテーマは「原爆」でしたが、
おそらくありとあらゆる報道に「忖度」が蔓延っていると思われます。

民放TVはもちろんスポンサーファーストですから、スポンサーに得にならないことは一切報じません。

NHKは誰に忖度しているのかよくわかりませんが、まぁ政治関連でしょうか。

いずれにしろ、メディアと呼ばれる人たちは、どこかで必ず忖度しているので、100%真実だけを報道できるわけではありません。

戦後に発行停止を怖れた新聞社と同じです。
自分の立場を守ること(引いては会社の存続にも影響しますが)を第一優先せざるを得ないために、
一般市民に真実を知らせず、誰かに都合のいいプロパガンダを流すしかないというジレンマを持った人は山ほどいると思われます。

今回の番組を制作したスタッフも、
逮捕されてでも真実を伝えなければいけない、と奮闘した学生たちの勇気にとても心を揺さぶられただろうと思います。

テレビも新聞も嘘ばかり!と怒りたくなる報道が目につくのは確かですが、彼らを責めても何も変わらないんですよね。
むしろこんな番組を作るのはどんなに心が痛かっただろうと思ったらちょっと泣きそうになったのでした。

これからどんどん真実が明るみになる時代が来ると信じたいですね。



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