他人に必要とされたい症候群


熊本、大分で被災された方々にお見舞い申し上げます。

「私よりもっと辛い思いをしている人がいるから」と言って、自分が被災者なのに募金しようとする人がいます。

それは、私自身が311でも経験しました。
宮城県のど真ん中で募金活動、チャリティ活動がたくさん行われていました。
心のすみっこにもやっとした違和感を感じつつ、小銭を入れたことを思い出します。

自分より辛い思いをしている人がいるから…と言い始めたら、キリがなくなるっしょ、
ということをわかりやすく記事にしてくれた人がいるので、まずはそちらをリンクしておきます。
「ケンちゃんの骨折」(笑えるスピリチュアル〜知ってるトキはシっている)


災害が大好物の人たち テレビ局

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311を経験した日本人は、いろんな感性も鋭くなってきているようで、
「むむ?なんか違和感〜!」と感じることが増えている気がします。

たとえば、テレビ局。
確かに離れた地域にいる人にとって、状況を知りたい!というニーズがあるために、
中継車を入れたりヘリを飛ばしたりして現地を取材して報道してくれるわけですが…

現地の人を差し置いて、ガソリンスタンドに横入り、とか
取材班が豪華なお弁当を食べている、とか
ヘリの騒音で、救助を求めている人の声が聞こえない、とか

正直、被災地に迷惑になっている行動が少なからずあるらしいじゃないですか。

でも、考えてください。
報道マンは「正義」を持って行動してるんです。
「だって、日本全国の人は知りたいんだよ!現地の様子を。そしてものすごく壊れた建物を見たいんだよ、泣き崩れている人を見たいんだよ。」

カメラマンが探すのは、「ものすごく悲惨に見える場所、その角度」です。
地震だけじゃなく、台風の時もそうですね。
あえて、建物の中ではなく、雨風の吹きすさぶ場所にリポーターを立たせる。
大げさに報道しないと、視聴者は見てくれないからです。
大切なのは「正しい情報」ではありません。「人の心を揺さぶる映像」です。

それが彼らの仕事であり「正義」なんです。
そのために、被災者にとって本末転倒なことが起きてしまうことがあります。
念のために言っておきますが、テレビ関係者全員ってわけじゃないですからね。
ごく一部の人ですよー。


災害が大好物の人たち ボランティア

プリント
ネット上では、募金の文字がいきなり増えました。
また、物資を集めて現地入りする人のブログも頻繁に見かけます。
「なにかしたい、私にできることはなにかないんだろうか」ってみんな思います。

そしてボランティアとして現地に行けば、ヒーローになれるんです。

普段の生活ではあまり目立たず、役立たずだと思われている自分が、災害時には人の役に立つことができる、
それを経験すると脳内でなにか快感物質がドバーッと出るんだと思います。

噂では、地震や台風などの災害時に、いつも真っ先に到着する人たちがいる、という話も聞きます。
もちろんその人たちを責めているわけではありません。
彼らのおかげで助かる人はたくさんいます。


認知症の原因は必要とされなくなること

困っている人に手を差し伸べる、感謝される、必要とされる、
それは、人の生きるエネルギーと言ってもいいかもしれません。

逆に言えば、人から必要とされないと感じると、人は鬱になっていきます。
会社組織で言えば窓際族でしょうか。

家庭内で言えば、認知症になってしまうお年寄り。
「危ないからお料理しなくていいよ」
「ひとりで出かけないで」
「車の運転はもうやめて」

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家族は、心配だからこそ、守りたいからこそ、長生きしてほしいからこそ、このようなことを言うわけですが、
「ああ、もう自分は誰かになにかをしてあげられないんだ…。もう人に迷惑をかけないと生きられないんだ…」
と感じると、人はどんどん生きる気力を失っていきます。

「もう少し若ければ、子供や孫よりもずっと自分の方がいろんなことを知っているし、できるはずなのに」
というプライドが高かった人は、現実を認められないので、正気を失うしかなくなるんです。
もう惚けて現実から目をそらすことでしか、生きられなくなってしまいます。

想像してください、自分の子供におむつをあてられる姿を。
気を失いたくなりませんか?


必要とされることがエネルギー

うちの母も最近、忘れ物が多くなり
「ああ、もうダメだね…年をとるといろんなことができなくなっちゃう」
とよく言うようになってきました。

鍋に火をつけたままテレビに見入ってしまい、焦がすこともしょっちゅうです。
でも、「それを娘に怒られる」と思って隠そうとします。
においでバレるちゅうねん……
でも、そんな時は、私も気づかないふりをすることにしています。
さりげなくキッチンタイマーの使用を勧めたりして…

今年度、我が家は近隣の自治会の班長のお役目が回ってきました。
回覧板を回したり、自治会費を集金したり、お掃除当番があったりして、結構面倒な仕事ですが、
ここへきて、母親が俄然張り切って動きはじめたんです。

引き継ぎの書類に目を通して、計算して、さっさといろんな仕事を片付けてくれています。
たまに計算違いしたりもするのですが、「またやっちゃったー」と言いながらも、どんどんやろうとします。

そんな母のために(どちらかと言えば、物忘れの激しい自分のためでもあるのですが…)ちょっと良さげなサプリメントの情報が入ってきましたので、試しに注文してみました。(4/26まで送料無料キャンペーンだそうです)
まだ届いてないので、試してみてからまた近々ご報告しますね。


あなたが必要だと伝えよう

自分ができることをやりたい、認められたい、必要とされたい。
自分の存在価値を感じたい。
それは本当に人間の本能なんでしょうね。

子供が「それぼくがやるーー!」と言うのと同じだと思います。
「いいの、どうせ失敗するんだから、あなたはやらなくていいの」と言われた子供は、必要とされる喜びを感じられず、また経験のチャンスをなくします。

被災者が被災地で募金活動をするのも、同じ精神構造からきているのかもしれませんね。
自分はただ、誰かに面倒を見てもらうだけじゃない、もっと辛い人にしてあげられることがある、って。

「情けは人のためならず」
という言葉を、
「下手に人に情けをかけると相手のためにならないよ」と思っている人も多いと思うのですが(ええ、私がそうでした…笑)
本当は、
「情けをかけることで本当に救われるのは自分である」という意味らしいですよ。

遠くから被災地のために、なにか役に立ちたいと思っている人と同じように、
被災地のど真ん中にいてなお、人は誰かの役に立ちたいと思うんですね。

これなら、私たちに今すぐできるじゃん〜!
あなたが必要です、生き延びてください、自分を大切にしてください、って
言葉にして伝えることからはじめようと思います。


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