安否確認は誰のためにしているのか


大阪北部地震に遭われた方にお見舞い申し上げるとともに、お願いしたいことがあります。
いろいろな状況を経験されたその時の気持ちや経験を、
状況が落ち着いてからで構いませんので、どんどん伝えていって欲しいと思います。


取材用ヘリコプターの迷惑

なにか大きな災害が起こる度に、
必ずといっていいほどTwitterなどでつぶやかれていることのひとつに、
「ヘリコプターの音がうるさい」ことがあります。

取材用のヘリほど、被災地の人の邪魔になることはありません。
災害救助ヘリを待っている人にとって、「助けが来た!」とほっとしたと思ったら、飛び去ってしまうことの絶望感。
また音がうるさすぎて、現地にいる人の会話の邪魔になる、など
地震に限らず、災害の度に今までにも何度も指摘されているのに変わらない。


安否確認はバッテリーを消耗する

そしてもうひとつ、
安否確認の電話やメールについての話も、よく見かけるようになってきました。

被災地の渦中にあって、家族や恋人など大事な人と連絡をとりたいのに、
電話回線が混雑して繋がらない、
遠方にいる友人や親類から安否確認の電話やメールが次々に入ってきて、バッテリーが消耗してしまう。
普段からモバイルバッテリーを持ち歩く人ならなんとかなるかもしれませんが、
停電してしまったら充電できません。


助け合うことができるのは近くにいる人

これはどちらも同じ思考回路から生じている問題だと思いませんか?
ヘリで取材している人も、その映像をテレビで見ている人も、
被災地にいる友人にメールしている人も、
「今被災していない」人です。

そして、被災地の状況が気になって、知りたいと思っているし、
友人の無事がとても心配で、自分が落ち着かないんです。

テレビに映像が流れることで、ある程度状況がわかって、自分の好奇心が満たされる。
友人が無事であったことを確認して、自分が安心できる。

それは本当に当たり前の感覚だと思います。
では、それがどちらも確認できたとして、
被災地の状況がなにか変わるのかといえば、何も変わらない。
むしろ、邪魔をしているんですね。

「いや、私は友人のために、何か必要なものを送ってあげようと思って連絡したのに」
という人も多いですが、災害の直後に、離れた場所にいる人ができることなんてほとんど何もありません。

災害直後に助け合うことができるのは、歩いて行ける範囲にいる人だけなんです。


誰のための状況確認なのか

すごくイヤな言い方をしますよ……

災害時に、遠方から真っ先に電話なりメールなりをして
「大丈夫?」
と安否確認をする人は、
「私はあなたのことを一番心配しているいい人なんですよ」というアピールをしたいだけとも言えます。

ああ…言っちゃった。
すみません。
これ、自分に対して言っています。

次々にいろんなことが起きる時代ですから、
大抵の人が一度ぐらい被災者の立場に立たされていると思うんです。

停電していなくて、
大事な家族と安否確認がとれた後で、
電話やメールをする余裕がある時なら、
遠くの友人から、「大丈夫?」という連絡をもらうのは、本当に心からうれしいし、心強いです。

安否確認メールをする前に、
「これは自分が安心したいからやってる行動なのか、本当に相手のためになるのか、今すべきなのか」
を考えてからみんなが行動したら、きっといろんなことがスムーズにいくんじゃないでしょうか。


伝えることで助かる人がいる

今回は、とても痛ましいことにブロック塀の下敷きになってなくなった方が出てしまいました。
日本は今までにも大きな地震が何度も起きています。

私は、1978年の宮城県沖地震の時に、
「地震の時にブロック塀に近づいてはいけない」と学びました。
宮城県では、ブロック塀の撤去や耐震補修のために補助金も出していましたし、
きっとみんなブロック塀の危険性については知っていることだと思っていました。
でも、どうやらそうでもなさそうですね。

阪神大震災、311や熊本地震、台風、ゲリラ豪雨、
いろんな災害を経験する度に、これをすべき、これは危険、など
みんないろんな知恵を得てきたはずです。

はじめにお願いしたように、
みなさんの経験を隣にいる人にどんどん伝えていきましょうよ。
それできっと助かる人がたくさんいるはずですから。


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