みなさん「F1種」という言葉をご存知でしょうか？
このブログでも何度か触れたことがあるのですが、まだまだ認知度は低いかもしれませんね。

F1カーのレースの話じゃないですよ！
もしかしたらわざとわかりにくいネーミングにしたんじゃないの？と勘ぐりたくなっちゃいます。

これ結構やばめの話なんですが、そういう話ほど一般の人々に知られないようにコントロールされたりするんですよね。
そんな話題をサラッと「チコちゃんに叱られる」で取り上げる時代が来たのか！となんだか希望が持てる気分になりました。

■F1種ってなに？

番組内では、「なぜスーパーに売られている野菜はみな同じ大きさなのか？」という問題だったのですが、その回答が「F1種を使っているから」だったんです。

F1種とは、簡単に言えば、人に都合のいい作物ができるように（病気に強いとか収穫量が多いとか）違う種をうまく掛け合わせたもの、ということになるでしょうか。
メンデルの法則についても番組では解説されていました。優勢遺伝、劣性遺伝を利用するのだそうです。

わかりやすい説明が「野口のタネ」さんのサイトにありましたのでリンクしておきます。
https://noguchiseed.com/hanashi/f1/f1_1.html

このF1種の種を畑に蒔けば、都合のいい野菜が育ちますので、最近の農家さんのほとんどはこれを使っています。
そしてそれがスーパーに並んでいるわけですね。

■メリットもある

問題はその先です。
本来植物は、花が咲き、実がなり、そこから種をとってまた次の世代につながりますが、F1種はメンデルの法則に従って第２世代からは都合のいい作物が育つとは限らない、という特徴があります。

そのため、都合のいい野菜を栽培したい人は、毎年F1種を購入して畑に蒔く必要があるわけです。
毎年種を買うだけならまぁいいんじゃないの？と感じますよね。
これがいろいろなところに影響してくるんですね。

まずメリットっぽいものを挙げておくと…
例えばブランド名のついた作物、◯◯メロンとか◯◯いちごとか、高価な値で売れる作物を買って食べたあとに、その種を数粒庭に蒔けば、同じ作物が育つかもしれません。
そうなれば誰もお金を出して買わなくなりますね。

もしかしたら、どこかよその国の人がその作物をたくさん買って、種を自分の国で植えてブランド作物を作って売り出すかもしれません。

そうなると様々な研究をしてその作物を作り出した人も、農家さんも困ります。

でもF1種の場合、第2世代以降は、同じものができるとは限りませんので、まぁまぁ阻止できそうですね。
これは既に起きていることで、いわゆる種の著作権みたいなものを守るためには役に立っています。

■そして遺伝子組み換え作物へ

しかし、やはり不自然な雑種であるのも確かです。
形が不揃いであっても、在来種の方が美味しいと感じる人も多いです。
美味しいと感じるということは、自分の体に合っているということでもあります。

また、この種を作り出すのはとても手間暇がかかります。先ほどリンクした「野口のタネ」さんのブログのつづきを読むと、どれほど面倒な作業を行っているのかわかります。

もっと簡単にできる方法はないのか…と研究されているのが「遺伝子組み換え」の作物です。
もう、なんだか食べたくない感じになってきましたよね。

しかし「種は買うものだ」「高く売れる野菜が作れる」ということに慣れた農家さんは、あまり抵抗なく取り入れてしまうかもしれません。

そうやって自家採種できる在来種がどんどん減っていき、「種を買わないと農作物が作れない」状態になった国は、農業を完全に支配されてしまいかねません。

■希望がある

こういうことに気づいた人たちは、かなり前からいろいろな活動を行なっていましたが、問題が複雑でなかなか情報が広がらない状態でした。

もっと言ってしまえば、いろんなことを深く考えないように教育（洗脳とも言う）されてしまった人も多く、ほとんどの人が「興味をもって調べよう」とはしません。

そんな日本人に、もうちょっとちゃんと考えて生きようよ、と促しているのが「チコちゃんに叱られる」という番組なのかもしれません。
出題に対してほとんどのゲストが「普段考えもしなかった」とこたえますが、解説を聞けばちゃんといろんな理由があるのだと納得できます。

今回のスーパーの野菜についての出題で「F1種」という名前が出たことはちょっと画期的だと感じました。
番組内の解説はちょっと物足りない部分もありましたが、少なくともそういう概念があるということをNHKが伝えてくれたことに希望を感じます。

なんの希望かって？
「♪こ〜の支配からのぉ〜卒業〜！」です。