ガン宣告を受けた、クリキンディの父親についての記事のつづきです。
はじめての方はこちらからご覧下さい。
<ミモザの咲き乱れる頃 その1>
父になかなか優しくできないクリキンディに
母親は「後悔しないように」と言ったのですが、
その時、私は「もういろいろ話をしたから、たぶん大きな後悔はない」言うと同時に
いや、後悔するかもしれない…と思うことがあったのです。
もし、父が亡くなった後、母が引きずられるように亡くなってしまったら…
…
…
そんなの嫌だ!
私はもっともっとたくさん母と話をしたい、
梅干しの漬け方だってちゃんと教わっていないのに…
母とふたりで一緒に旅をしたい場所がたくさんあるのに!!
私は、親に長生きして欲しいとも思えないような冷たい人間なのか…
と思って落ち込んでいたのですが、
決してそうではなかったんですね…。
では、どうして、父のことを愛せないのか、
確かに、親としては自分勝手で、子供の気持ちなど考えない人ではありますが、
一般的に見て、そんなにひどい人だとも思えないのです。
自分の中で、どうしてもわからない謎を解くために
私はヒプノセラピーをしてみることにしました。
そして、最初にイメージできたのが
ミモザの咲き乱れる季節に行われた、とても素敵な結婚式だったのです。
時代は、さほど古い感じではありません。
とても若いカップルの新郎が、どうやらクリキンディです。
その妻は……
…
…
私の今の母親です。
うひゃ〜!
でも、こういうことってよくあるらしいですね。
家族は様々に役割を変えて、グループで転生しているのだといいます。
場面は変わって、
町なかに小さな店を構えたクリキンディ。
コットンの洗いざらしの白いシャツを着ています。
仕立てやさんなのか、洗濯やさんなのか…
新婚間もない私たちは、ささやかに、しあわせに暮らしていたのですが、
そこへドイツ軍の兵士が銃を持って突然やってきます。
自分がいる国がどこなのか、よくわからないので、
いったいどの史実にあてはまるのかよくわかりませんが、
外に引っ張り出されて、見上げると
夜空が真っ赤に燃えています。
あちこちで火の手が上がっているのだと思います。
漠然と、自分が斜めになっている気がします。
その上に何かが多いかぶさっているようなイメージ。
たぶん、群衆の下敷きになって、そのまま若いクリキンディは命を落としたものと思われます。
若く優しい妻は、ドイツ兵に連れて行かれて、そのままどうなったのかわかりません。
そのドイツ兵士とは…
…
…
今のクリキンディの父親でした。
あ〜〜〜!!納得!!
そりゃ、父親のことを好きになれないわけだよ〜!
しかし、この話にはまだつづきがあったんです。
だって、これじゃ
まるっきりクリキンディが被害者じゃないですか。
それなら父のことを死ぬほど憎んでいてもいいのに、そうでもないのはなぜなのか。
人生ってそんなに簡単じゃないんですね…