「放射能被曝ガレキの処理について環境省に電話した 2011/4/28」
というタイトルのYoutube動画を見ました。
http://www.youtube.com/watch?v=d47qPsAoN2A&feature=channel_video_title
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なるほど、ガレキをどう処理するのかということについて、
クリキンディは、ほとんど考えていませんでした。
しかも、放射性物質が付着している可能性が非常に高いガレキなんですよね。
投稿者は kakusanhantaiさん。
音声と文字情報だけの動画ですが、
こういう動画はすぐに削除されてしまうことが多いので、文字起こししています。
(一部読み易いように編集しています。)
「「「「「「「「「「
環境省は、岩手、宮城、福島3県の倒壊家屋などの災害廃棄物について、
42都道府県に協力を要請し、広域的に処理を進めていくことを決めた。
被災した3県と茨城県、遠隔地の沖縄県を除く42都道府県に要請した。
処理可能量について回答を求めており、今月中に受け入れ可能な総量がまとまる見通しだ。
輸送経費は、国が全額負担する方向で検討しており、東北や関東地方の自治体での処理を優先させる方針。
また、現状では被災市町村が受け入れ先の市町村と個別に協議するのは困難とみられ、
同省が調整にあたり、処理の円滑化を図る。
同省では、3県で発生した災害廃棄物は計2490万トンに上ると推計。
車や船舶、港湾などのがれきは含めておらず、量はさらに増える見込みという。
(2011年4月19日 読売新聞)
」」」」」」」」」」
以上の件において、ガレキを一般ゴミとして焼却することで、
原発事故によって飛散し広範囲にガレキに付着した放射性物質が、
全国に拡散してしまうのではないかという懸念がもたれています。
(「汚染された瓦礫の処理」で検索)
そこで4月28日木曜日午後2時半、環境省(03-3581-3351)に電話で問い合わせをしました。
(電話の呼び出し音)
受付「はい、環境省でございます。」
質問者(以下”質”)「どうもお世話になります。えーとすみません、
今日は東日本大震災による地震津波によるガレキの処理について、
環境省さんにお伺いしたいことがございましてお電話いたしました。」
受付「はい、かしこまりました。」
対策課の人(以下”対”)「はい、環境省廃棄物対策課です。」
質「宜しくお願いいたします。えっと、お伺いしたいことがあるんですけれども、
先日環境省さんが、震災津波によって発生しましたガレキを、
全国の自治体に、焼却の処理能力があるのかどうかの調査を要請したという報道があったんですけれども。
これってやっぱり、名目上は処分能力の調査ということですけれども、
やはり中央象省庁からそういうことを訊かれれば、
地方自治体としては、焼却の要請だろうと思うと思うんですけれども。
実際、川崎市が先駆けとなっておりますけれども、横浜市でも、焼けるという風に手を上げましたけれども。
これについて、何が問題かといいますと、
原発事故の影響で、放射性物質がかなり高い、かなり遠い地域まで飛散してしまっていて、
岩手にまで届いてしまっているという記録があります。
そういうものを全国に発送して、一般ゴミとして焼却処分してしまっては、
放射性物質がさらに拡散してしまうのではないかという危惧を抱いているんですけれども。」
対「そういったご意見はたくさん頂いておりまして、
環境省としましては、たとえば災害廃棄物を被災地等で、
福島をのぞく被災地等でかなりのガレキが発生していると。
災害地だけでの処理能力だけではとうてい追いつかないということで、
日本全国の市町村に、どれくらの処理能力がございますかという、ご支援ご協力をしているというのが、
まぁ今していただいている話から、まぁそういうことなんですけれども。
あの、今一番気にされている放射性廃棄物に関しては、
今管理基準等を設けておりませんので、今あのー、協議しているさなかでして。
ご心配の、とりあえず放射性廃棄物が、皆さんの仰るように、
日本全国にばらまかれるというようなことで、懸念されているんですけれども、
あの、そういったことのないような方策を、今現在関係省庁合わせて検討する所でございます。」
質「その基準というのはいつ頃決まるんでしょうか。」
対「そうですね、あのーすいません、
今お電話を頂いている所の違う部署の方で検討の方を行っておりまして、
もし詳細が必要であれば転送させて頂きたいと思うんですけれども。
宜しいでしょうか。お待ちください。」
対策室の人(以下”室”)「環境省震災?対策室の……と申します。」
(質問者、さきほどと同じ質問をしますので省略します。)
室「まだ、あのー、どういったゴミを焼却、燃やしてもいいかということについては検討中のところがございまして、
ちょっとまだ何ともお答えできない状況なんですけれども。」
質「はい、えーとそういうことは、いつ頃決定するんでしょうか。」
室「まだ決まっておりませんでして…」
質「それでは、やはり基準を決めるといいましても、放射性物質を決めるとしても、
どこからどこまでが汚染になるのかということは、
人間が勝手に決めることなので、何マイクロシーベルトという値を決めたら、
それをほんの僅かでも下回れば無害ということにはならないですよね。
だから、もし決定するとしたら、限りなくゼロに近い値になるしかないと思うんですけれども。
そういうことは考えていらっしゃいますでしょうか。」
室「あのまだ、検討中の所ですので、ちょっとお答えしかねる所がありまして。」
質「ではどのくらいが一般ゴミとしても良くて、環境に影響を及ぼさないかという、そういう考えもまだ固まっていない…」
室「そう…ですね。はい。」
質「それはいつ頃決まるのかもわからないのですか?」
室「現時点ではいつというお約束はできない状況です。」
質「では他の地域で焼却するという硬直的な方法ではなくて、それ以外の選択肢というのは考えていないのですか。」
室「……まぁあの、もちろん高濃度の物は外には出せませんので。」
質「それは当然ですけれども、他の…」
室「要は、どういうところで線引きをするかという所です。」
質「それはまだ決まっていないんですか?いつ頃決まるのかも分からないんですか?」
室「ええ。」
質「今検討はされているんですか?」
室「……。」
質「では今、これから宮城岩手などの被災地に行って、
ガレキにどのくらいの物が付着しているのかということも測定していないのですか?」
室「えーと、ガレキ自体……。」
質「ガレキへの付着濃度というのは測定していないのですか。」
室「そうですね、ガレキ自体に関しては…。」
質「なぜされないんでしょうか。」
室「まぁ、あの、環境中のモニタリングということで言いますと、
文部科学省さんのやっておられるデータがございますよね。」
質「まぁ、それはそうですけれども、あくまでそれは情報であって、
環境省さんが、今ガレキの処理に関わっていることであれば、
やはり現地に向かってその数値を取るべきだと思うんですけれども。」
室「あの、基本的な環境中の物がそこから降ってきたということで、
まぁ大体同じような傾向にはなると思いますので…。それで測定はまだ行っていないです。」
質「でも、見ないでも分かるということはないですよね。
ガレキの放射能の測定というのは、どのような方法をするのか決まっていますか。」
室「……あの、ガレキ自体をこう、まぁ要は広範囲にわたってありますので、
個々に計るというのはたぶん現実的には無理だと思います。」
質「確かにそうなんでしょうけれども、いわゆるサンプリング方式をするとしたらね、
たまたま低い濃度の物に当たってしまって、ある区画の物は、とても濃度が高いのに、
一般ゴミとして選ばれてしまうということも実際起こりうると思うんですけれども。
そういう可能性は考えていらっしゃるんですか?」
室「えー、まぁそういう可能性はあると思います。」
質「そういう場合は大変なことだと思うんですけれども。あると思いますが、じゃなくて。」
室「ええ。」
質「ええではなくて、どう思われるんでしょうか。」
室「ちょっとまだ検討中の所もございますので。」
質「本当に他のこととは違って、一度一般ゴミとして焼いてしまったらもう取り返しのつかないことですよ?
そういう自覚は持っていらっしゃいますか?」
室「はい、それは理解しております。」
質「では、そういう例えば運搬や焼却の際に、やはりいくら一般ゴミとしたとしても、
紙一重で放射性物質なんですけれども、
そういう場合の作業に当たる方々の被曝対策などは考えていらっしゃいますか。」
室「まぁ、あの、一般の作業の場合であれば、通常の災害のゴミでもマスクをしたりという、
手袋ももちろんですけれども、そういうことで一般の作業員の方の対策は大丈夫だと思っております。」
質「ただ、JR等で運ぶと聞いたんですけれども、JRはまだそういうものを運ぶわけにはいかないと難色を示していると言いますけれども。」
室「……まぁ、おそらくはJRで運ぶのは難しいのではと思いますが。」
質「そうですか。ではなぜそんなにまだ何も決まっていないことを、結論ありきで自治体に要請をしたのでしょうか。」
室「まぁ、あの結論的に、具体的な部分がない中でのお願いということですので、
なんと言いますか、言い方はアレですけえども、挨拶程度の、あの、協力をお願いしますというお話でして…」
質「省庁の方はそうだとしても、言われる自治体の方としては、絶対にそうとは受け取らないと思います。
あの、常識で考えてもそうだと思いますけれども。
何も決まっていないから、言葉だけということはちょっと通用しないと思いますけれども。」
室「……はい。」
質「ハイではなくて、他のことならいざ知らず、
一回放射性物質がまき散らされてしまったら、日本が取り返しがつかなくなるという自覚は持っていらっしゃるのでしょうか。」
室「はい。」
質「環境省の、環境設置法第3条はご存知ですよね。」
室「はい。」
質「なんて言ってましたっけ。」
室「まぁえーと、国民の、要は環境を……適正に守る義務があるというか……」
質「あの、まったく別のことをやってると思うんですけれども。今の環境省は。」
室「はい…」
質「認めるんですね。」
室「あ、はい、いえ、そういうつもりはないんですけれども。」
質「誰が見ても客観的にそうだと思います。」
室「……それは申し訳ありません。」
質「とにかくこういう放射性物質の物を、全国に拡散して焼却するなどということは、
一番やってはいけないことだと私は思っています。ぜひ撤回をお願いします。」
室「はい、ご意見は承りました。」
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環境省設置法第三条
環境省は、地球環境保全、公害の防止、自然環境の保護及び整備その他の環境の保全
(良好な環境の創出を含む。以下単に「環境の保全」という。)を図ることを任務とする。
***********
(動画の文字起こし、ここまで)
これを見て、クリキンディが思ったこと…。
質問者さんの筋の通った主張はわかりやすい!
環境省の返答は、
どうも曖昧で、質問者さんにちゃんと答えていない感じです。
ただ、電話口に出た方が、「わかっていないから曖昧にしか答えられない」のか、
「わかっているけれど、本当のことを言えない」のか、それはわかりません。
こうしてYoutubeに公開して頂いたことで、
いろんなことが見えてきますね〜。
気がつかなかったことをたくさん教えて頂けました。
もうひとつ感じたのは、
やはり「エネルギー」の向かう方向です。
(「聖なる予言とでんじろう先生の実験」 「エネルギーの奪い合い、与え合い」をご参照ください。)
質問者さんは、環境省に対して、攻撃色があるのは確かです。
自分の主張を相手に認めさせて、場のエネルギーを支配しようとしているように感じます。
環境省さんは、立場上穏やかに返答していますが、
奪われてゆくエネルギーに不快な思いをしているはずです。
もし、環境省さんが、
「あなたのおっしゃる通りです。指摘して頂かなかったら、大変なことをするところでした。
ありがとうございます」
なんて答えていたらどうなったんでしょうね。
質問者さんも、
「わかって頂けたらいいんです。全国の市民は協力したいんです。一緒に対策を考えましょう。」
なんて流れになったかもしれませんよね。
うーん、ほんとにどうしたら一番いいんでしょうね。
このガレキの山。
他人事ではなく、自分のこととして考えなくては。
と思えた動画でした。