もうひとつ、太宰府天満宮の梅ヶ枝餅ネタを…
もともと、なぜ太宰府でこのお餅が売られるようになったのか、
そのエピソードはいくつかあって確かではありませんし、
どのお店が元祖なのか、それも不明らしいですが、
とにかく参道には梅の香りがするわけでもないこの焼き餅を売っているお店がたくさんあります。
食べた事のない方に一応ご説明しておきますと、
あんこの入ったお餅(おそらく餅ではなく餅粉だと思われます)を、
たい焼き器とかホットサンドメーカーみたいな感じの
専用の器具で挟んで軽く焼いたもので、
とっても素朴な味わいなのですが、
これが参拝でちょっと歩き疲れた時にちょっと食べると実においしいんですね。
そしてどのお店で食べてもあまり当たり外れがないので、
空いているお店で買えばいいのに、
なぜかみんな行列のできているお店に並んでしまうんです。
これは「人が並んでいるお店はおいしいはずだ」という思い込みによるわけで、
これを逆手にとって「行列アルバイト」なる職業が存在することを知っても、
それでもついつい並んでいるお店に行きたくなっちゃう。
面白いことに、誰も並んでいないお店に、
誰かが買いに行って、
たまたま「焼き上がりまでちょっと待ってね」という状況の時に、
どんどん行列が膨らんでいくという状況もあるようです。
たぶんね、ここで働いている人たちは、
人は「おいしいと知っているから並んでいる」わけじゃなくて、
「なんとなく行列ができているから並んでいる」
ということをわかっているんでしょうね。
だって、オフィス街のランチなら、お客さんはどのお店がおいしいかよく知ってるけど、
ここは観光地であって、ほとんどの人が「ここへ初めて来た」人なんですよね。
まぁ、ガイドブックやレビューを見てくる人もいるでしょうけど、ごく一部でしょうから。
だけど、あんまり列が長過ぎても、待つのがいやになっちゃう。
同じお金を払うならおいしいものを食べたい、
でも待ちすぎると、損をしたような気分になっちゃうんですよね。
なんだかせせこましいような気もしますが、
それは生き残るための人間の本能でもあるかもしれませんね。
同じ場所に何度も行く事で見えてくる風景もあるというお話でした