旧暦の10月を神無月(かんなづき)と言いますが、出雲地方では神在月(かみありづき)と呼ぶことを、幼い頃に知りました。
いつか神在月に出雲に行ってみたいと思いながらも、宮城からはあまりに遠くてずっとあこがれのまま…。
でも福岡へ移住してから少し距離が近くなったし!ということで休みをとってついに行ってきました!
神在月
旧暦の10月10日〜17日に、全国の神様が出雲に集っていろんなことを決める会議があるそうで、今年は11月21日〜28日が神在月の期間でした。
きっと大きなお祭りなんだろうと勝手に想像していましたが、地元では「神様のお邪魔をしてはいけない」ということで、ものすごく静かに過ごすそうです。いやぁ知らなかったわ。
こちらは出雲大社のHPから拝借した地図ですが、本殿の両側に細長い建物「東十九社」と「西十九社」が見えるでしょうか。
ここは普段は扉も閉まっていてその存在に気付かずに通り過ぎてしまうようなところなのですが、神在月のときには扉が開いて御簾がかかっています。
そう!全国の神様がお泊まりになる宿なんですねー。
うちの母ちゃんは「神様は38人しか泊まれないじゃないの?少ないわね」なんて現実的なことをぬかしておりましたが、八百万(やおよろず)の神様がそこにいらっしゃるんですよっ!
出雲大社に到着したのは午後3時を過ぎていたのですが、ぐるっと一周してお参りをすませて境内を出る頃にはものすごく風が強くなってきていました。
なんとなく、「たくさんの神様が飛び回っているのかな、風神さまが風を起こしているんだね〜。あ、でも雷神さまは出てこないのかなぁ」なんて考えながら大社を後にして、神門通りを散策。
出雲大社は「縁結び」の神様として有名なので、若い女性が好きそうなパワーストーンや勾玉のショップがたくさんあります。
また「ぜんざい」のお店もたくさんあるのですが、これは「神在」を「じんざい」と読んだことからはじまったネーミングという説があるのだそうです。
もうあまりに寒かったので一番手前にあった「出雲ぜんざい餅」やさんに入っちゃいました。
そこで頼んだ「抹茶ぜんざい」がこちら。
しっかり泡立てた本格抹茶の中に小豆と紅白のお餅が入っていて、甘すぎずめちゃうまい〜〜!
抹茶好きのクリキンディとしてはもう最高の組み合わせです。このためだけにまた出雲に行きたいぐらいです。
もっといろいろ探索したかったのですが、どんどん風が強くなって歩くこともままならないほどになってきたので、とりあえずホテルにチェックインしました。
部屋で荷物をほどいた瞬間、なにかが目の端で光ったような…?と思う間もなく大きな雷鳴が轟きました。
あらま、雷神さまが動き出しちゃいました。まさか私の心のつぶやきが聞こえたわけじゃないですよね……?
嵐の会議
天気予報を見ると、日本海で急激に発達した爆弾低気圧のため、暴風雨となっていて、中国地方の山沿いでも積雪が…とか言ってるし。
えーー!そりゃ困る。
福岡に移住した時点でスタッドレスタイヤは処分してしまいました。チェーンとか持ってないし、これじゃ帰れない〜〜。
なにこれ、神様の集まる会議を覗き見しようとした罰なわけ?えー、そんなぁ…
せっかく神在月の出雲にいるのに、もうテンションだだ下がりです。
本当は夕方行われる「夜神楽」を見にいくつもりだったのですが、それも諦めました。
どうやら、神在月のときには出雲地方では急に寒くなったり、みぞれが降ったりすることがよくあるらしいんですね。
これはもう勝手な想像でしかありませんが、たくさんの神様が集まっての会議なら、その年によって穏やかに進行する時もあれば、もめる時だってあるだろうと思うわけですよ。
そして今年はなかなか決まらずに風神さまも雷神さまも大きな声を出したくなるような議題だったのかな…なんて考えちゃいました。
ミシュラン三ツ星美術館とパワーストーンの温泉
次の朝、案の定山手ではかなりの積雪があったらしく、ほぼすべての高速道路にチェーン規制がかかっています。
仕方ない、どこかカーショップでチェーンを買うしかないか…と思いながら、とりあえず松江方面に向かい、ミシュラン三ツ星の足立美術館へ足を伸ばしました。
ここは絵画や美術品もさることながら、庭園の美しさが有名です。
展示にもいろんな工夫があって、本当に素敵な美術館です。
この写真でもわかるように、爆弾低気圧はどんどん北上してすっかりいい天気になってきました。
まだチェーン規制は解かれていないようだし、すっかり体が冷えきっていたので、近くの玉造温泉へ。
出雲国つくりの時代からあるという1300年の歴史のある温泉だそうで、美肌の湯としても有名のようです。
ここに「めのう」を張り巡らせた温泉があると聞いて、玉造グランドホテル長生閣さんへ行ってみました。
日帰りは14時までしか入れないし、料金は1500円とちょっとお高いのですが、バスタオルやお抹茶のサービスもあるのでちょっとお得な気分です。
めのう風呂は少しぬるめですが、もう入った瞬間に元気になっちゃうような、浄化&充電のお風呂でした。
これはもうおすすめのパワースポットと言ってもいいかも〜!
ちなみにすぐ近くにある勾玉の伝承館は、クリキンディの波動には合いませんでした…残念。買う気満々だったのにな。
神様ありがとう!
天気も回復し、どうやらチェーン規制も解除されてきた模様だったので、チェーンを購入せず帰路に着きましたが、途中の道の駅ではまだこんなに雪が残っていました。
実は、前々日に津和野に宿泊していたのですが、ここを出雲に行く前に寄るか、帰りに寄るか結構迷って前日にしたのです。
もし後で泊まるプランにしていたらばチェーンなしでは到底たどり着けませんでした。
津和野はかなり山の中なので相当積雪もあったと思われます。
旅に出れば、必ずいろんなことがちゃんと必然でミラクルで(まぁ旅に出なくてもそうなんですが…)ちゃんとうまく行くと、経験でわかっているはずなのに、ついついいろんなことを疑っちゃって不安になるんですよね。
風神さまも雷神さまも「ここにいるよ」って教えてくれただけかもしれないのに、罰が当たった?なんて考えちゃう小市民のクリキンディです。
おかげさまで、帰り路は雪もなく混雑もせずスムーズに帰宅。
思い切って訪ねた神在月の旅は振り返ってみれば、もりだくさんで(ここに書いていない行程も山ほど!)いろんな出会い、学びがたくさんある楽しい旅となりました。
神様ほんとうにありがとう〜〜!
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