どうも、話があちこちに広がってしまう癖があるもので…ごめんなさい。
前の記事からのつづきです。
洋服(和服でも)を試着したときに、
ああ、これを着るとなんだか体が楽!
と感じたことはないでしょうか?
デザイン的にどうこう、という話ではなくて、
生地そのものが肌に触れたときに、
体が緩む感じと言えばいいでしょうか。
現代人はケミカルなものに塗れて生きているので、五感が鈍っていて、なかなかわからない人も多くなってしまいましたが、
食べ物など、オーガニックなものにこだわり始めると、少しずつ五感が研ぎ澄まされていくことに気づく人も多いです。
そうなれば、着ていて気持ちがいい、体が楽、と感じる洋服と、そうでないものを見分けるのは簡単です。
着るものは、今では単に見た目で選ぶ人も多いかもしれませんが、もともとは体を守るために身につけるものです。
温度や湿度、日差しや怪我からも守ってくれますね。
もしかしたら、魔除けに効果があるものもあるかもしれません。
大島紬の製作過程を簡単に確認してみましょうか。
まず、林へ行って「てーちぎ」という木を探し、
その木から染料を取り出して染め、
次にとても細かい泥を使って染め、
これを何度も繰り返すことで地色となります。
次に絵柄を図案に起こし、織物にする時に柄が出るように計算して、糸の部分だけを染めます。
そこから機織り機にかけて反物になります。
あ、もちろん糸はシルクです!
ものすごく簡単に書きましたが、完成までに1年もかかるのだそうで、ものによっては二千万円の値がつくこともあるそうです。
このような工程を経て、自然の材料を使い、人の手でていねいに作られた着物と、
化学繊維に、化学染料で型押しされた柄の着物とでは、
着心地はもちろん、明らかに「守られ感」が違いそうですよね。
「いや、だって二千万円とか無理無理、もっと安くてデザインのいい着物を買った方がお得でしょ」
と思いましたよね?
一事が万事です。
「いいものが体にいいことはわかってるけど、高いものは買えないから、ちょっとぐらい体によくなくても安いものを買う」
この概念が深く染み付いている私たち、
食べ物から、住むところから、化粧品から、洗剤、乗り物も、旅の仕方も、教育も、本当になにもかも、
「いいもの=高いもの」を捨てて、「悪いもの=安いもの」を選んできたんです。
もうひとつ踏み込んで言うならば、
「同じ商品を買うなら一円でも安い店で買う」
ことが幸せだと思って買い物をしています。
売る側としては、同じ仕入れ値のものを安く売るために、何を犠牲にしているかといえば、働く人の賃金や環境です。
「安く買えた〜!幸せ!」というのは、
誰かの不幸の上に成り立っているということにもなります。
そりゃ売る側も「客は安ければいいんだから、商品の質を落としましょう」ということにもなりますよね。
めっちゃ回り道しましたが、最初の話に戻ります。
素晴らしい伝統技術が廃れていく理由、
それは消費者が買わないからです。
和風総本家のような番組を見て、
これは素晴らしい技術だねー、未来に残したいね、
と思うのなら、買うべきですし、使うべきですよね。
自分にとって、何が幸せなのか、ということが、
「お金が一番大事」となってしまったことで、
みんなわからなくさせられています。
健康が大事なら、安いものを選んで食べたり使ったりしてる場合じゃないってことです。
クリキンディ、今は大島紬を買うことはできませんが、
なるべく、百均やファストファッションのショップを使わないようにしようと思っています。
皆さんが未来に残していきたいものはなんですか?
ぜひそこにお金やエネルギーを注いでいってくださいね。
「大島紬を未来に残したいのなら私たちがすべきことは」への1件のフィードバック