※「神々の牧場」の続きです。こちらから先にどうぞ。
メリー「もぐもぐ、もぐもぐ。」
メー太郎「もぐもぐ、もぐもぐ。」
メリー「クシュン!」
メー太郎「おや、メリーちゃん風邪かい?くしゃみなんかして」
メリー「だって、今朝すっかりふわふわの毛を刈られちゃったのよ。寒くてたまらないわ。」
メー太郎「ああ、そうかどうりでなんかスッキリしてると思った。もぐもぐ。」
メリー「もう!あんたはどうしていつもそうなのよ!私が髪型変えても、まつげのエクステしても、
まったく気付いてくれないし。」
メー太郎「うん、ごめん。もぐもぐ。」
メリー「ねぇ、あんたは食べることとヤルことしか興味ないわけ?」
メー太郎「もぐもぐ、もぐもぐ。」
メリー「羊ってさ、なんのために生きてると思う?」
メー太郎「食ってヤッて子孫残すためだろ、もぐもぐ。」
メリー「ほんとにそれだけなのかな。あの柵の向こうに何があるのか知りたくない?」
メー太郎「そんなこと考えたってムダムダ。
ここにいればさ、とりあえずメシ食えるじゃん。
安心して子育てできるじゃん。柵を出たやつはオオカミに食われるんだって聞いてるぜ。
そりゃふわふわの毛を刈られるのは辛いけどさ、それは羊の義務でしょ。
その代わり、柵で敵から守られて、飢えることもないんだからさ、いいじゃん。
メリーったらもしかして欲求不満なの?後から乗っかってカクカクしてあげよっか〜?」
メリー「やめてよ!もうこんな生活うんざり!
昨日まで一緒に草を食べてたメー助が、どこに連れていかれたのか、あんたは気にならないの?
羊は死んだらどこに行くのかあたしは知りたいのよ。」
メー太郎「行いのいいヤツは天国。悪いヤツは地獄って決まってるじゃん。」
メリー「そんなおとぎ話、あんた本気で信じてるの?
あたしは自分で確かめたいのよ。
あの柵の向こうに何があるのか、死んだ羊がどうなるのか、一体何のために生きているのか。」
メー太郎「またその話かよ。考えたってわかんねぇんだからよ、
考えるのをやめて、毎日、草食って楽しく生きて行けばいいじゃん。」
メリー「もういいわ。あたしひとりで行くから。
あの柵を越えて、きっと真実にたどり着いてみせるわ。さよなら。」
メー太郎「はいはい。もぐもぐ。もぐもぐ。」
〜〜〜天上の神々の会話〜〜〜
「お、ちょっと見てみろよ、こっちの牧場で、一匹アセンションした羊がいるぜ。」
「ほう、この羊、この後オオカミに食われる予定だろ?
そしたら魂の経験値上げてもらうためにさ、土星とかに生まれ変わらせようか。」
「あ、それいいかも。またちょっと個性的な魂が食えるぞ〜!楽しみだなぁ。」