移住しました その21「ストーリーを進めるためのキーワード」


兄が探してくれた不動産で、無事にアパートを借りる手はずがついたのですが、
物件を案内してくれた方との会話で、ちょっと印象に残る会話がふたつあったので記録しておきます。

不動産やさんでは、窓口で条件を伝えると、
それにあった物件を紹介、その中から気になるものを実際に見にいくわけですが、
たまたまそのお店では、窓口係と外出案内係が違う人でした。
案内係の人が違う現場に外出していてなかなか片付かなかったらしく、
私と兄は窓口でかなりの時間待たされたんです。

窓口担当者の焦りと、兄のイライラが最高潮に達した頃、
ようやくその担当者がやってきましたが、とても若くて頼り無さげに見えました。

クリキンディの息子より少しだけ年上という感じでした。
平身低頭な雰囲気で、
「大変お待たせして申し訳ありませんでした」
と言う彼に、
「忙しいのに急がせてごめんね」
とクリキンディが声をかけた瞬間に、場の空気が一気に変わった気がしました。

それまで散々待たされてイライラしていた兄は、
文句のひとつも言おうと思っていたはずです。
若い担当者も、このお客さんに文句を言われるだろう、と覚悟していたはずです。
でも、状況を考えれば、彼は客を待たせようと思っていたわけではなく、
事務所から何度も「まだ来れないの?」という催促の電話を受け、
大きなストレスを感じながら最大の努力を払って来てくれたわけですよね。
そこで「急がせてごめんね」の言葉を聞いて、
彼の緊張が一気に解けたような、そんな風に見えました。

もちろん彼の本音はわかりませんが、
その後、とても親切にいろいろ案内してくれました。
もし、あの時に「もう遅いよー、何時間待たせるんだよ!」って怒っていたとしたら、
きっとその後の案内業務は気持ち的にギクシャクしたんじゃないかなと思うのです。

咄嗟に出た言葉ではありましたが、
言葉ひとつで場の空気が変わるということを体験した面白い出来事でした。

そして、大変残念なことにこの日はよい物件に巡り会えず、
次の日にもまた案内してもらうことになりました。
不動産仲介業とすれば、一番いいのは「短時間で高額な物件が決まる」ことです。
次の日、なんとか良さげなところを見つけて契約しようとしたところ、
うまく家主との条件が合わず、話が流れてしまいました。
そこでまた一から探し直しになり、この担当者と何時間も一緒に過ごすことになったわけです。

車の中では通り一遍の世間話もネタがなくなり、
なんとか無言の時間を避けたかった彼が、
「最近、口内炎ができてなかなか治らないんですよ」と突然言い出しました。
その瞬間、ああ、この話をするために、この担当者に出会ったわけか…と納得。
なぜなら、森のトトロとの研究の中で、口内炎の原因や対処について、
いろいろ調べていたため、アドバイスできることがいくつかありました。
本当に、こんな形の出会いでも「必然」なんだなぁ、と痛感。
その後、彼に必要と思われる話題が出揃った後、すんなりと借りる部屋も決まりました。

このブログでは「偶然だけど必然」の話をかなりたくさん書いていますが、
クリキンディの中では、
「スムーズに事が運ぶ時はそのまま進んでオッケー」のサイン、
「何かしらの障害があってスムーズに事が運ばない時は、必要条件が満たされていない」サイン、
というように考える習慣がついてきています。

本当に、RPGと一緒だなぁと思います。
レベルが上がらないと行けない場所、
誰かとの会話でキーワードが出ないと進めないストーリー。
ヒントはさりげなく仕込んであるので気付かないことも多くて、
攻略本にすぐ頼ってしまうタイプのクリキンディは、現実世界でも本を読むのが好きです。

どんどん体当たりして力ずくで進む人もいれば、
ストーリーを進めることを忘れてカジノに入り浸っている人もいるし、
この人生の楽しみ方は人ぞれぞれ、それでいいんですよね、きっと。

あ、でも私に必要なキーワードを持っている人が、
カジノから出てきてくれないと困るなぁ…

(その22につづく)


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