[映画]大統領の執事の涙


なんでしょうね、
なぜか、そのつもりがなくても、このテーマの映画を見る羽目になることが多いんですよね。
このテーマ…それは、
「抑圧からの解放」です。

違うタイトルのDVDを探しにいったはずなのに、
なんとなくこのタイトルに惹かれ、
アメリカ大統領の個性を執事の視点で語る映画って面白そうー!
と借りてきたら、むしろ人種差別からの公民権運動がメインテーマでした。

なんとなく、南北戦争終了とともに、
アメリカには人種差別がなくなったような気がしていましたが、
実際には本当につい最近まで根深く残っていたのだということがよくわかります。
というか、まだ終わっていないんですね。
それは、私たち有色人種である日本人にとっても同じこと。
表立って「白人が優位に立っている」と言う人はあまりいなくなってきましたが、
形を変えて、この人種差別問題は消える事なく、くすぶりつづけるんでしょうね。

映画では、さりげなくゴスペルソングが散りばめられていて、
ブラックミュージック大好きなクリキンディはそれだけでも楽しめました。

でもこの映画で一番ハートにヒットしたシーンは、
キング牧師が、主人公の息子に語ったこんなセリフでした。

「執事は立派な職業だ。
彼らは勤勉に働くことで、紋切型の黒人像を変えた。
高いモラルと威厳ある振る舞いによって、人種間の壁を崩していった。
執事やメイドは従属的と言われるが、彼らは戦士なのだ。
自覚なしに。」

キング牧師が本当に言ったことなのかどうかわかりませんが、
非暴力を貫いた彼なら言うかもしれない、という内容ですね。

うん、「自覚なしに」っていう言葉、深いなぁ。
この三次元で生き抜いていくポイントはもしかしたらここにあるのかもしれません。
一瞬一瞬、自分が選んでいるストーリーは、
自分に見えているものと、全体を俯瞰で見た時とでは、
まったく違うものになっている可能性があるわけで、
また裏返して見たら、全然違うものが見えてきたり…

いろいろ考え過ぎて、わからなくなっちゃった時には、
とにかく自分が向きたい方向を向けばいい、
というかそうするしかないんだな…と思います。
ああ、やっぱりCompass of my heartに行き着くわぁ。


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