「私の愛しいロボットたち」のつづきです。
男「なぁ、最近異常気象が多いと思わないか?」
女「え?そう言われればそんな気もするけど…」
男「これは地球を汚し過ぎたわれわれ人間への罰なんじゃないかと思うんだ」
女「いやねぇ、考えすぎよ。きっと創造主さまが私たちを守ってくださるわ」
そろそろあの惑星は静かに滅びている頃だろうと思い、私は「地球」と呼ばれている星を久しぶりにモニターしてみた。
なんということだろう、ロボットたちは増え続け、進化しているではないか。
どこかでプログラムにバグが生まれたに違いない。
寿命が短く、世代交代の早いロボットたちは、環境に適応する能力を進化させ、
どんなに風が吹こうと、気温が下がろうと、灼熱の砂漠であろうと、その場でエネルギーを得て行動する術を身につけていた。
我ながら、なんと素晴らしいブログラミングだったのかと感動すら覚える。
しかし…惑星消滅プログラムはもはや取り消せないのだ。
ああ、私の素晴らしい発明品が絶滅してしまう。早まってしまったものだ。
悲しい気持ちのまま、私はモニターを切り、他の惑星に切り替えた。
おお、こちらのロボットたちはなかなかうまく動いているじゃないか。
男「今まで創造主が君になにかしてくれたことがあるかい?」
女「それは…お顔を拝見したことだって一度もないわ」
男「いいかい、きみを守るのはこの僕だ、創造主なんかじゃないよ」
女「まぁうれしい、愛しているわ」
探検隊員「隊長!見つけました、これです、この装置が周波数を狂わせ、この地球の異常気象を生んでいたようです」
隊長「危なかったな、この装置のカウントダウンはもう一桁になっている。われわれが発見しなければ来週にも地球は滅びるところだった」
探検隊員「これで新統一政府もますます安泰ですね」
女「ああ、あなた無事に帰ってきてくれてうれしいわ」
男「地球を滅ぼす装置を見つけた。でも解除したからもう大丈夫、きみを守れてうれしいよ」
女「あなたが探検に出かけている間、私もなにかできないかと思って宇宙船の設計をしていたのよ」
男「それは素晴らしい!資源の枯渇したこの地球のために、宇宙へ飛び出して資源の豊富な惑星を探しに行こう」
女「貴重な資源を豊富に持つ惑星を探して宇宙に飛び出してから、いったい何年経ったのかしら。
来る日も来る日も…というより昼も夜もよくわからないので、1日の感覚も曖昧なまま。
愛する彼はだいぶ前に亡くなってしまった。
それでも私は地球を救うために、いくつもの星を調査したの。なかなかいい星に巡り会えなかったわ。
でも、今回の星には期待が持てそうよ。早速着陸して調査に取り掛かりましょう。
え?私の趣味はなにかって?もちろんロボット製作よ。
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