伝統技法で作られた玉虫色の口紅が今でも販売されていた


普段はすっぴんアンドグレイヘアーで通している私ですが、
江戸時代から使われていた口紅について、TVで見て俄然興味がわいてきました。(番組名を覚えていない…w)
お江戸に行く機会があったので、今回ショールームを訪ねてみましたよ。

山形で栽培されている紅花を使い、ものすごく手間をかけられて作られた口紅は、化粧品としてだけではなく、布の染料としても、和菓子の食紅としても使われているそうです。
さらに、中国では漢方薬としても使われていて、薬効もあるらしいのです。

たった一店舗しか残っていない

この紅を作るために、材料として使われているのが、紅花(べにばな)という黄色い花。
アザミのように、葉っぱがトゲトゲしているため、摘み取るのがとても大変で、早朝、朝露に濡れて少し棘が柔らかい時間に収穫するのだそうです。
さらに、この花弁に含まれる赤い色素はほんの1%程度。
そのため、江戸時代はものすごい高値で取引されていたようです。
きっと紅花長者なんて人がいたんでしょうね〜

収穫だけでなく、そこから赤い色素を取り出すためにはものすごく手間がかかり、その抽出方法も一子相伝の秘伝であったりもしたそうです。

ところが、明治に入り、ケミカルな化粧品が使われるようになると、どんどん職人も減り、販売するところもなくなり、
ついに日本橋の伊勢半本店の一店のみになってしまったそうです。
いやいや、技術を残していただいてありがとうございます!って感じですよね。

伊勢半本店の小町紅パンフより

玉虫色の不思議

伝統的な製法で作られた紅の品質を見極めるポイントが、乾いた状態の色です。

お猪口のような容器や貝殻、和紙などに塗った状態で販売されていた紅ですが、乾くとなぜかこのような玉虫色になるんです。
混ぜ物があったり、品質がよくないとこのような発色にはならないらしいのです。

これをほんのちょっと水で湿らせた筆で溶くと、あっという間に本当にきれいな紅色が現れます。
くちびるに乗せるとすごくやわらかな透明感のある紅色になり、
現代の口紅のような変な味がすることもなく、コーヒーカップにべったりつくこともありません。

でも、なぜ乾いた状態でこのような玉虫色に見えるのか、まだわかっていないのだそうで、科学的にいろいろ調査研究されている途中なんだとか。

江戸時代のファッション事情

現在は南青山にショールームのある伊勢半本店ですが、
店内に歴史資料を集めた展示スペースがあり、これがなかなか面白い〜!
資料館は撮影禁止のため、詳しくお伝えできませんが、当時の女性たちが流行を追っていたことや、商品価値を高めるために、売り手側がいろんな工夫をして宣伝していたことなどがよくわかります。

美にかける情熱は、江戸時代も今も本当にまったく変わっていないんですね。
そして、お歯黒のような、よくわからないものが「常識」としてまかり通っちゃっているところも、現代とよく似ていると思います。
誰かが「これがいいんだよ」「こうするのが正しいんだよ」と宣伝し、それが流行になって、いつしか常識とされてしまう。
人間の心理をうまく利用してますよね〜

紅花の薬効

さて、はじめに中国で漢方薬として使われていると書きましたが、紅花には、血行を促進し、鬱血を除く効果があるらしいですよ。
江戸時代には、オシャレとしての口紅の使い方だけでなく、口内炎ができた時につけたりする使い方もあったのだそうです。

紅花をお茶にして飲むことももちろんできます。
伊勢半のショールームで紅花茶をいただきましたが、ほとんどくせのない香ばしい美味しいお茶でした。

私が普段ノーメイクなのは、「めんどくさい」というのが一番大きな理由ではあるのですが、もうひとつ、「食べられないものを顔や体に塗りたくない」というのも大きな理由なんです。
ほんの少量とは言え、毎日くちびるに塗れば、体に入ってしまう口紅に、どんな材料が使われているのか、やっぱり気になりますよね。

ショールームで製法などいろいろ教えていただき、口に入れても大丈夫そう、これなら使ってみたいと思い、ひとつ購入してきました。
赤い巾着もついていてほんとにかわいい〜
なんだか使うのがもったいない〜!

伊勢半の小町紅 公式サイトはこちらです。
http://isehanhonten.co.jp/products/index.html
資料館を含むショップは、2019年8月〜10月まで改装のために閉鎖されるそうです。
ネットショップでは購入できると思いますが、実物を見てみたい方はこの期間を避けて行ってみてくださいね。


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