九州でもない、ニュージーランドでもない、アメリカ西海岸でもない、
もうどこへ行きたいのか自分でもよくわかりません。
ただ、この町で暮らし続けるのは無理だと、身体が悲鳴をあげていました。
ひどい咳は治まったものの、右首後側の痛みは完全に慢性化していて、
後ろのみならず右あごのリンパあたりが腫れています。
食事中に、舌の付け根を何度も噛むし、
舌全体がヒリヒリして食べ物の味がよくわかりません。
歯茎の出血も続き、治療した歯の詰め物が次々に取れてしまいました。
内臓への負担も大きかったようで、脇腹やみぞおちの痛みも常にあり、
お腹まわりが腫れていたんでしょうね、体重は変わらないのにウエストサイズがかなり増えていました。
手足のむくみも慢性化していて、以前使っていた指輪はもうほとんど指に入りません。
またこの夏から急に気になり出したものに、「エアコンのにおい」がありました。
ほこりっぽいチョークの粉を叩いた時のようなにおいで、
複数ある職場のエアコンが、一斉にこのにおいを発しはじめたんです。
一緒にいる人に聞くと「ああ、確かにちょっとほこりっぽいにおいだね」と言うのですが、
さほど気にしていない様子です。
クリキンディにはかなり耐え難いにおいの強さに感じます。
これは、エアコンを付けていない自宅でも起き始めました。
窓を開けていると、時々(だいたい一時間に一度程度)ぷーんとにおいが鼻につくのです。
これってまさか…
元素記号表をあらためて確認してみましょう。
縦に並んだ元素は、似た性質を持っています。
チョークの主成分はカルシウム、カルシウムと同じ縦の列にあるものは…
ストロンチウムです。
これ以上詳しいことは文系のクリキンディにはうまく解説できませんが、
今までに降り積もった何かが変化してにおいを発している、もしくは新たに何かが降下している、
そういう可能性があるのだと思います。
震災後の九州とアメリカの旅について書きましたが、
もっと近距離の場所を含めたら、実のところかなり頻繁に旅をしていました。
空気のにおいや体感を観察し続けたと言っていいと思います。
この観察ポイントについては「森のトトロとその仲間たち」との研究が非常に役立ちました。
旅先と地元での健康状態を何度も比較することで、
「放射能は確実に人体に影響する」ということを確信したものの、
しかし同時に、即死するほど濃いわけでもなく、
核種がたくさんあるために、影響を受けた人の症状が様々で原因が特定しづらい、
ということもよくわかりました。
つまり、健康被害について「放射能が原因である」と訴えることはおそらく今後もできないであろう、
ということも確信してしまったのです。
そうこうしているうちに、2012年の12月がやってきました。
マヤのカレンダーが終了していることから、一部では大げさに終末論が語られ、
地球滅亡説と、人類が進化するアセンション説の大きくふたつがありました。
そりゃ滅亡説はできることならナシでお願いしたい。
うまいこと人類が進化するのなら、ぜひこの目で歴史の転換点を見てみたい。
いったいどんなことが起きるのか、自分にどんな変化があるのかと本当に楽しみにしていました。
しかしいろんな書籍を読んでも、ネット上の情報をチェックしても、
明るいニュースがなかなか見つけられません。
そろそろUFOのことを公式に政府が認めるんじゃないかとか、
宇宙人に会えるんじゃないかとか、それはそれは期待していました。
そして何事もなかったかのように(原発事故さえも何もなかったかのように…)2013年の年が明け、
どうやらノストラダムスの大予言と同じように、何も起こらないのだとわかった時、
本当にがっかりしてしまったんです。人は期待が大きければ大きいほど失望も大きいんですよね。
残ったものは、日々漏れ続ける放射能と、それを発端に調べるうちに気付いてしまった陰謀論の数々。
どんなにがんばって声高に脱原発を叫んでも、マニフェストを信じて投票しても、
パブリックコメントを出しても、火を見るより明らかな間違いであったとしても、
もう何も変えられない。
どんなにイヤだとだだをこねても、誰かが決めたシナリオ通りに、
まるで氷津波のようにズルズルと押されていってしまうのだと諦めざるを得ませんでした。
原発だけじゃない。
TPP、医薬品、ワクチン接種、増税、憲法改正、米軍基地移転、武器輸出、ガン治療、秘密保護法…
一体何を目的に、何を楽しみに生きていけばいいんだろう。
少しずつ年をとり、放射能に冒されて徐々に弱っていくだけ。人生って何だろう?
2013年前半、クリキンディは完全に希望を失っていました。まさに絶望という気持ちでした。
あることに気付くまで。
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ブログ版をかなり加筆、修正しています。
「移住しました その9「2012年夏、身体も心もどん底に」」への1件のフィードバック