移住しました その19 「住みたい場所がひとつ増えたけど…」


お伊勢参りの旅から戻ってすぐに、クリキンディはパスポートを手に成田へ向かいました。
そう、家族全員がなんとなく思いついちゃった「ニュージーランド」へ行くために。
そしてここでもミラクルな出会いが…

仙台空港から成田までの国内線に乗ろうとしたら、
つい2週間前に、クリキンディのことを涙、涙で見送ってくれた生徒がいるじゃないですか!
この便は、国際線の乗り継ぎの人のみが利用できる便なので、
まず知り合いに合う確率が低い便なんですね。
聞けばこれから本人の結婚式でハワイに向かうということで、家族総出の旅行です。
今度は、笑顔、笑顔でお互いに「いってらっしゃい」が言えました。

そして、ニュージーランドで2週間滞在したお宅で同室だった女の子が、
クリキンディと誕生日が一緒だと判明、しかも九州から来てるし!
彼女は一年間のワーホリを予定しているということだったので、今はまだニュージーランドにいるはず。
帰国したらきっと会えるかもね、なんて話をしたのでした。

また、クリキンディの同僚の奥様とお子さんが、放射能疎開のために、
ニュージーランドにいるという話を耳にしていたので、
もしかして知っているかも?とステイ先で聞いてみると、
「ええ、うちにしばらく滞在していらっしゃいましたよ、今は家を借りて近くに住んでますよ。」って。
あはは、やっぱりね。
念のために言っておきますが、ニュージーランドって、日本と同じくらい広いんです。
どの都市に滞在しているのかすら知らなかったんですが、まさか同じところだったとは…。

もともと、移住先候補のひとつとして挙がっていたニュージーランドなので、
いろいろ可能性を探ろうと思っていましたが、
正直言って、ああ住んでもいいかも、と思ったのは確かです。
原発もなく、空気が澄んでいて、人口も少なく、牧場だらけ、牛だらけ、羊だらけ!(笑)
火山や温泉があるにも関わらずあまり地震が多くないし、人もとてもフレンドリー。
食べ物や文化、住宅の雰囲気はイギリス、アメリカと似ていますが、
遺伝子組換え食品を認めておらず、保存料や添加物がアメリカほど多くない印象です。
人口に比例して車もそう多くはないので、街中以外はほとんど信号もなく、ロータリーを採用しています。
日本で暮らしていて、いろいろ窮屈さを感じていたものについて、
ここならストレスを感じなくて済みそうだなぁ…
ただ、生活の糧を得る方法が思いつきません…(苦笑)

ひとまず、九州に受け入れ先があるのだから、
まずはそこへ行こう。
それからその先に、もしかしたらニュージーランドへの移住があるのかもしれないし、
とにかく「住んでみたい」と思える場所がひとつ増えたことは収穫でした。

そしてこの旅でのもうひとつの収穫は、
(実はそんなに楽しい収穫でもなかったんですが…)
今回滞在したお宅では、他にも入れ替わり立ち替わり、ショートステイからロングステイまで、
いろんな人が訪れていました。
私がいる間に出会ったのは5人の日本人の女性。
ですが、メアドを交換できるほど仲良くなれた人がいなかったんですね。

旅の方向性というか、人生の価値観というか、
そういうものを共感できる人に出会えなかったのが、
ここまで流れに乗っていた(はずの)クリキンディとしてはちょっと納得いかない。(笑)
それでも、この時は気付けなかったことを、
帰国して2ヶ月経ってから「は!そういうことか」と納得したことがひとつあったので、
それはそれで大きな収穫だったと思います。

つくづく思ったのは、
やっぱり誰も放射能のことをほとんど知らないということ。
対岸の火事であるがゆえに、興味を持って調べようと思わないことはわかるけど、
新聞やメディアなどの報道のみを信じている人のなんと多い事でしょう。
滞在中に出会った人の中には医療関係者もいましたが、
その方は「放射能ってもう終わったことじゃないの?」という認識でした。

無力だなぁ。

何を語っても
「あの人は気にし過ぎなのよ」
って思われて終わりなんだなぁ。

もうこの頃には、誰かにわかってもらおうという努力を
ほとんどしなくなっていたクリキンディだったのでした。

(その20につづく)


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