メキシコの漁村に腕のいい漁師がいました。
そこへ通りかかったMBA(経営学修士)のビジネスマンとの短いお話、
ご存知でしょうか?
知らない、という方のために、あとで解説するとして、
知っている方は、このジョークをどのように感じたんでしょうか?
クリキンディは、漁師タイプでもなく、ビジネスマンタイプでもないなぁ。
どんな風に生きたいのか
人生って、生きるってどういうことなのかなぁ、
人はなんのために生きているのかなぁ、
この答えの出ない問題について、
子供の頃からぐるぐると考え続けてきました。
その都度、「ある仮定」のようなものを見つけて、
それを支え(コンパスだねー)に生きてきたような気がします。
生まれた時からずーっと同じ方向を指し示すコンパスもあれば、
ジャック・スパロウが持っているコンパスのように、
その瞬間に自分の欲しいものを指し示すコンパスもあるんだと思います。
ただ今の時代、不幸だなと思うのは、
自分が本当に欲しいもの、したいことについて、
なんだかわからなくさせられているな、と思うんです。
例えば、「自分の目標は◯キロのダイエットです」
という人、本当は食べることが大好きだったりしませんかね?
食べたいー
でも太りたくないー
食べる=太る、とは限らないのに、そう思わされていたり、
太っている=かっこ悪い、とも限らないのにそう思わされていたり…
メキシコの漁師とMBAのビジネスマンの話
話が横道に逸れてしまったので、漁師の話に戻しましょう。
まずこの話を知らない方はこちらを読んでみてください。
メキシコの海岸沿いの小さな村に、MBAをもつアメリカのビジネスマンが訪れた。ある漁師の船を見ると活きのいい魚が獲れている。
ビジネスマンは聞いた。
「活きのいい魚ですね。漁にはどのくらいの時間かかるのですか?」「そうだな、数時間ってとこだな。」
「まだ日は高いのに、こんなに早く帰ってどうするのですか?」
「妻とのんびりするよ。一緒にシエスタを楽しみ、午後にはギターを弾きながら子供と遊んで、夕暮れにはワインを傾けながら妻と会話を楽しみ、それで、寝ちまうよ。」
それを聞いてビジネスマンはさらに質問をした。
「なぜもう少し頑張って漁をしないのですか?」漁師は聞き返した。
「どうして?」と。「もっと漁をすれば、もっと魚が釣れる。それを売れば、もっと多くの金が手に入り、大きな船が買える。そしたら人を雇って、もっと大きな利益がでる。」
「それで?」と漁師。
ビジネスマンは答える。
「次は都市のレストランに直接納入しよう。さらに大きな利益がうまれる。そうしたら、この小さな村から出て、メキシコシティに行く。その後はニューヨークに行って、企業組織を運営すればいいんだよ。」「そのあとはどうするんだ?」漁師はさらに聞いた。
ビジネスマンは満面の笑みでこう答えた。
「そこからが最高だ。企業をIPO(※)させて巨万の富を手に入れるんだ。」「巨万の富か。それで、そのあとはどうするんだい?」と漁師は最後に質問した。
「そしたら悠々とリタイヤさ。小さな海辺の町に引っ越し、家族とのんびりシエスタを楽しみ、午後にはギターを弾きながら子供と戯れ、夕暮れにはワインを傾けながら妻と会話を楽しむ。のんびりした生活を送れるのさ。」
漁師はため息をつき、やれやれ、という顔で一言を付け加えた。
「・・・・そんな生活なら、もう手に入れているじゃないか。」
※IPOとは、「Initial(最初の)Public(公開の)Offering(売り物)」の略で、未上場企業が、新規に株式を証券取引所に上場し、投資家に株式を取得させること。
人生を旅に例えてみると
初めてこの話を知った時には、
うわぁ面白い話!と思ったのですが、
よくよく考えてみると結構深いですよね。
それぞれの「人生の目標」が「ゆるゆるとその日暮らしを楽しみたい」
ということだと仮定した場合、
すでにそれを実現している漁師と比較して、ビジネスマンの負けのように見えてしまいます。
ではどちらがより広い世界を知っているか、
という視点ならビジネスマンの方が勝っているかもしれません。
まぁここで勝ち負けで比較する事自体がナンセンスですね。
それなら人生を「旅」に例えてみたらどうでしょう。
旅の目的はいろいろですね。
「日頃の疲れを癒すためにゆっくり過ごしたい」
「見た事のない風景に感動したい」
「旅先でいろんな人に出会って話をしてみたい」
「カジノでギャンブル三昧したい」
「アウトドアスポーツを楽しみたい」
「そこでしか買えないものを買いたい」
大きく分けると
「休むための旅」
「刺激を求めるための旅」
「物欲を満たすための旅」
になるのかな?
3つとも該当する旅もあるでしょうね。
漁師の人生は、癒しの旅のようなものであり、
ビジネスマンの人生は、刺激や物欲を満たした後で癒しを求めている、
とも言えますね。
それぞれの目的が違う以上、
お互いの人生についてとやかく言う必要もありません。
さらに言えば、一生のうちに目的が何度も変化するのも不思議ではないと思います。
あらためてどんな風に生きたいのか
さて、自分はどうだろう?って思いますよね。
クリキンディの場合、
漁師のように、ひとつところにずっといて幸せだけれど毎日同じ事の繰り返し、
という生活には憧れません。
かといって、マネーゲームのようなビジネスにも興味を持てないなぁ。
どちらかと言えば、人生に「感動と刺激」を求めているタイプかもしれません。
少し前までは「刺激なんかこれっぽっちもいらないからお願い休ませてー」と思っていたので、
だいぶ体力が回復してきているのだと思います。
この「人生の目的っぽいもの」って
現在の自分が好きなタイプの映画とか本とか番組など、
そういうものとも共通するのかも。
だとすればもうひとつ好きなジャンルとして「謎解き」もあるなぁ。
都市伝説の関暁夫さん大好きだわぁ。
あ!録画してたことを忘れてた!
感動と刺激と謎解きを求めて、クリキンディはテレビを見る旅に出発します。