このタイトルを見て「面白そう〜見たいなぁ」と思う人は見ない方がいい人かもしれません。
これほど賛否の分かれる映画もなかなかないかも〜。
私はとても面白い映画だと思いました。
映像もとてもきれい〜!
ではこの映画を見ない方がいいと思われる人はどんな人でしょう。
空海〜美しき王妃の謎のあらすじ
まずは公式サイトから抜粋します。
****ここから****
1200年以上前、日本から遣唐使として中国・唐へ渡った若き天才僧侶・空海。
あるきっかけで知り合った白楽天という詩人(のちの白居易)との交流を深めていく中、
世界最大の都・長安の街は、権力者が次々と奇妙な死を遂げるという、王朝を震撼させる怪事件に見舞われる。
空海は、白楽天とともに一連の事件を探るのだが、約50年前に同じく唐に渡った、鍵を握るもう一人の日本人・阿倍仲麻呂の存在を知る。
仲麻呂が仕えた玄宗皇帝の時代、そこには国中を狂わせた絶世の美女、楊貴妃がいた。
極楽の宴、妖猫の呪い、楊貴妃の真実、歴史を揺るがす巨大な「謎」――。
楊貴妃の命を案じた阿倍仲麻呂は何を知っていたのか…?
空海と白楽天、二人が辿り着いた真実とは…?
海を渡った若き天才僧侶・空海と、中国が生んだ稀代の詩人・白楽天。
二人はやがて、歴史に隠された哀しき運命と対峙することとなるー。
****ここまで****
空海が唐に渡る50年前の出来事について、白楽天と一緒に謎を解いていくという話になっています。
奇想天外な出来事にちょっと面食らいつつ、ストーリーが進むにつれてなるほど納得の謎解きは、
ダン・ブラウンの小説のロバート・ラングドン教授を見ているような面白さです。
ダヴィンチ・コードや天使と悪魔が好きという人にはオススメできます。
主人公が空海ではない
ただね…
空海が主人公とは言い難いんですよ。
なんでこのタイトルにしたのかな、どうせなら「楊貴妃」をタイトルに入れた方がよかったのに、
と感じた人が多かったんじゃないでしょうか。
これは日中合作の映画だから、と言えるかもしれません。
つい最近、コロコロコミックでチンギスハンを題材にしたものが問題になり、販売中止に追い込まれたニュースがありましたが、
有名な人物というのは、それぞれの国によって、抱いているイメージが全然違うんですよね。
空海は、教科書で習ったかも…ぐらいの人なら映画を見ても違和感は感じないと思うのですが、
四国八十八ヶ所めぐりをする人たちにとっては、神様的な存在です。
それが、ただ謎解きの得意な若い修行僧という扱いで描かれているため、
空海にひかれて映画館に行った人にとっては大きな違和感があったようです。
夢枕貘がすごい!
ただあまりに賛否両論なので、逆に興味を持ちました。
どうやら原作が4巻まであり、そのうちの半分が映画のストーリーになっているらしいのです。
いったいどんな描かれ方をしているのか知りたいと思い、早速原作本を読んでみました。
原作は夢枕獏(ゆめまくらばく)氏。
著作はたくさんありますが、陰陽師が有名でしょうか。
今回使われた原作がこちら。
「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」
まだ1巻の半分ぐらいしか読んでいませんが、これは面白い〜!
夢枕獏氏は空海のことをものすごく研究されているようで、
たぶんこれを読んで空海を好きにならない人はいないだろうと思うほど、魅力的な人物として描かれています。
なるほど、この原作を読んでから映画を見たら、人物像の違いにがっかりするかもしれません。
いやでも、主役の染谷将太くんは悪くないんですよ。
微笑みを絶やさない穏やかな空海像を飄々と演じてくれています。
それにしても、夢枕獏さん。
1200年前の唐の時代、本当に長安に行ったことがあるんじゃないかと思えるような、詳細な描写が素晴らしい!
結論
勝手にまとめますが。
空海が好きな人が見るとがっかりする映画です。
私は空海についてよく知らなかったのでとても楽しめる映画でした。
空海に興味を持ったなら、映画を見てから原作を読んでください。
逆バージョンは勧めません。
最後にひとつ…
吹き替えじゃなくて字幕で見たかったなぁ……
これはDVDを待つことにします。
映画、観に行けて良かったですね。 私も初日の土曜日に観に行く予定でしたが…一緒に観に行く予定の息子が前日にインフルエンザにかかってしまい、延期になってしまいました。 中学生は部活動が忙しくて、次の土日も行けず、行けるのは春休みになってからかな? 簡単に一緒にお出かけできた、小さい頃が懐かしいです。 だから、まだレビューは読んでいません。 映画が観られたら読ませていただきますね。 是非コメントさせてください。
Interinoさん
まだご覧になっていないのにコメントいただき恐縮です。
私はやっと原作を読み終わろうかというところです。
これを読んで「映画を作りたい」と思う監督さんはきっとたくさんいるんだろうなと思いました。それほど映像にこだわった作品だと言えると思いますので楽しんでくださいね。